■Curved Air / the Album 1970-73
(Esoteric Recordings / PECLEC 42749 / 2021.3)
(Esoteric Recordings / PECLEC 42749 / 2021.3)
英レーベル、エソテリックが発売している1アーティストの代表的なクラシック・アルバムを数作収納したボックス・セット・コレクション・シリーズからカーヴド・エアが登場。本作『The Albums 1970-1973』に収録されているのは、ファースト・アルバム『エア・コンディショニング』(70年)から『セカンド・アルバム』(71年)、『ファンタスマゴリア』(72年)、4枚目の『エア・カット』(73年)まで計4作。全アルバムが新たにリマスターされたヴァージョンで、『エア・コンディショニング』には「It Happened Today」(シングル・ヴァージョン)と「What Happens When You Blow Yourself Up」の2曲、『ファンタスマゴリア』には「Sarah’s Concern」がそれぞれボーナス・トラックとして追加収録されている。
ソーニャ・クリスティーナ(vo)、ダリル・ウェイ(vln)、フランシス・モンクマン(key, g)、フロリアン・ピルキントン・ミクサ(ds)、ロブ・マーティン(b)で結成され、70年頃から本格的に活動をスタートしたカーヴド・エアは、イギリスのバンドとして初めてワーナー・ブラザーズと契約。同年11月、『エア・コンディショニング』でデビューを飾り、デビュー作ながら全英8位を獲得し成功を収めた。当時はまだ珍しかった女性ヴォーカルと、ロンドンの王立音楽大学出身のヴァイオリニストが話題となり(フランシス・モンクマンも同大学卒)、アルバム同様シングル「Back Street Love」も4位を記録するヒットとなった。 3枚目のアルバムを発表したのち、オリジナル・メンバーはソーニャだけになってしまうが、当時まだ17歳だった若き天才ミュージシャン、エディ・ジョブソン(vln, key)をスカウトし奇跡の復活作と言われる『エア・カット』(73年4月)を発表した。エディはその後ロキシー・ミュージックを経てジョン・ウェットン、ビル・ブルーフォードらと結成したU.K.でブレイクを果たし、今だに根強いファンに支えられている。カーヴド・エアは、現在まで解散と再結成を繰り返しながらも活動し、近年は来日も果たしている。
彼らの初期代表作4枚をリマスター音源でまとめて手に入れられる本作は、初心者にも、コアなファンにもお薦めできる内容だ。(S.I.)
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