■PAUL BRETT / Stone Survivor

■PAUL BRETT / Stone Survivor(4CD / Lemon / CDLEMX242 / 2021.4)
 ストローブス、ザ・クレイジー・ワールド・オブ・アーサー・ブラウン、エルマー・ガントリーズ・ヴェルヴェット・オペラ、ザ・ヴェルヴェット・オペラ、ロイ・ハーパー、アル・スチュアート、ロニー・ドネガン……など数多くのグループやアーティストの作品でリード・ギターを担当してきたギタリスト、ポール・ブレットの初の4枚組アンソロジーがチェリー・レッド傘下のレモン・レーベルからリリースされた。
 1960年代後期、のちにストローブスに加入するデイヴ・ランバートらが結成したファイアのセッションに参加したことから、自身がフロントを務めるグループ、ポール・ブレット・セイジを結成。同グループ名義でセルフ・タイトル・アルバムを1970年にパイ・レーベルからリリースし、ソロ・デビューを飾った。74年から12弦のアコースティック・ギターの魅力を見出し、その後の音楽活動での多くのアルバムやセッションで12弦ギターの素晴らしさを提示した。80年代には一時活動を休止したものの、90年代には音楽活動を再開し、現在も自身のレーベルから作品を発表し続けている。
 本作『Stone Survivor』は、約半世紀にわたるポールの多面的な音楽活動で残した作品をまとめたアンソロジー。黎明期のビート〜モッズ〜サイケ時代から、アーサー・ブラウン、ヴェルヴット・オペラでの演奏、ポール・ブレット・セイジ、その後の自主レーベルからの作品までを網羅した内容は、まさに彼の歴史そのものだ。ポールはまた、メロディ・メイカー紙やサウンド・インターナショナル誌、アコースティック・ギター専門誌“Acoustic”などに寄稿したり、コラムを連載しているライターでもある。本作にはそんな彼自身によるライナーノーツも収録され、ポール・プレットというアーティストのすべてが詰まった一作となっている。(S.I.)