■Paul Gilbert / Werewolves Of Portland(Sony Music / SICX-165 / 2021.6)
レーサーX〜ミスター・ビッグで知られるギタリスト、ポール・ギルバートが、2019年発売の前作『ビホールド・エレクトリック・ギター』以来2年ぶりとなるニュー・アルバム『ウェアウルヴズ・オブ・ポートランド』をリリースする。もともと2020年春に他のミュージシャンも参加しレコーディングを行う予定だったが、コロナウィルス蔓延によるロックダウンのためにすべてが保留になってしまう。そんな状況が続く中、レコーディング方法を考えた結果、ギルバート自身がギター以外のベース、ドラム、キーボードをすべて演奏することで問題を解消。コロナ禍の中、彼自身もオンラインによるギター・スクールで教える合間に制作された本作は、共同プロデューサーのケヴィン・ハーンの協力を除き、ギルバートがすべての楽曲を担当したインストゥルメンタル・アルバムとなっている。ギルバートによると、曲作りは意外にもギターだけではなく歌うことを考えたというだけあって、ギター・テクニックだけではなくメロディが際立ったナンバーが多い。2020年夏には、“Black Lives Matter”に伴う暴動で図らずも有名になってしまったポートランドだが、本作にはそんなポートランドのマイナス・イメージを払拭するような熱いプレイが詰まっている。(M.F.)
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