■Mike Viola / Godmuffin


■Mike Viola / Godmuffin
(2CD / ソニー・ミュージック / SICX163-4 / 2021.2)
 2019年にリリースされた、ビートルズのDNAを持つ楽曲ばかりを集めたコンピレーション『POWER TO THE POP』にも収録され、同時期にはベスト・アルバム『ザ・ベスト・オブ・マイク・ヴァイオラ』も発売されたことで、近年再び注目を集めるボップ・マエストロ、マイク・ヴァイオラの新作が登場。しかもこの日本盤は、最新作『ゴッドマフィン』に、2018年にアメリカでリリースされながらも日本発売は見送られた前作『アメリカン・エジプト』を丸々カップリングした2枚組仕様の豪華版だ。最新作『ゴットマフィン』は、世界中がコロナ禍にあった昨年に制作されているため、冒頭を飾る美しいヴィオラだけが参加アーティストで、それ以外はドラムスを含めすべてヴァイオラ自身が演奏している。しかも昨今のコンピュータで作り上げる方法ではなく、スタジオに入りすべての楽器を自ら演奏し、オープン・リールで録音するというアナログな方法で制作。しばらく前からヴァーヴ・レコードのA/Rとしての仕事をしながらアーティスト活動を続けてきたヴァイオラは、売上を気にせず自身の作りたい作品を作ってきた。とはいえ根っからのポップ好きとあって、収録されている楽曲はどれも耳に馴染むメロディとハーモニーを持つキャッチーなものばかりだ。だだし、盟友アダム・シュレシンジャー(ファウンテンズ・オブ・ウエイン)をコロナで亡くしたことが影響しているのか、陰影のあるメロディと詞が多く、これまでの作品とは少し異なる印象を受けるのも確かだ。とにもかくにも2枚のアルバムが同時に手に入るうえ、日本盤には各々のアルバムに2曲ずつのボーナス・トラックが追加収録されている。さらにはライナーノーツには五十嵐正氏によるマイク・ヴァイオラへの最新インタヴューも掲載されているという贅沢な仕様。ぜひぜひ日本盤をゲットしてほしい!!(S.I.)