■The White Stripes / Greatest Hits

■The White Stripes / The White Stripes Greatest Hits
(ソニー・ミュージック / SICP-31413 / 2021.2)
 『ザ・ホワイト・ストライプス・グレイテイスト・ヒッツ』は、高い人気を誇りながらも2011年に惜しまれつつ解散したザ・ホワイト・ストライプスの2枚組ベスト・アルバム。ホワイト・ストライプスは97年、米ミシガン州デトロイトでジャック・ホワイトとメグ・ホワイトの二人によって結成され、セルフ・タイトルのアルバムでデビューを果たしている。デビュー当時こそオルタナティヴ・シーンに支持されていたが、アルバムを発表するたびに高まる音楽性は彼らの人気をメインストリームまで広げ、4作目の『エレファント』から『ゲット・ビハインド・ミー・サタン』、ラスト・アルバム『イッキー・サンプ』と3作連続でグラミー賞を獲得するまでになった。本作は、2006年のサッカーW杯ドイツ大会で世界のスタジアムで大合唱が巻き起こった代表曲「ゼウン・ネイション・アーミー」をはじめ、彼らがリリースした6枚のオリジナル・アルバムからバランスよく選曲され、その魅力を存分に味わうことができる。ジャック・ホワイトは、ラカンターズ、デッド・ウェザーに加えソロとしても活動しているが、やはりもっとも望まれるのはホワイト・ストライプスの再結成ではないだろうか。ただし、元々姉弟としてデビューした二人が実は夫婦で、2000年には離婚していることから、実際はもっとも再結成が難しいグループなのが残念なところだ。とはいえ本作は、ロック・グループが生き難い現在に、ロック・ミュージックのスピリッツを強く感じさせてくれる一作であることは間違いない。なお、日本盤には、ファーストから「レッツ・シェイク・ハンド」とサードから「ジョリーン」の2曲がボーナス・トラックとして追加収録されている。(S.I.)