60年代前半から現在まで約半世紀近くにもわたって、数多くのバンドで活躍し、ソロ・アーティストとしても活動するレイ・フェンウィックのこれまでの活動を包括する3枚組アンソロジー『Playing Through The Changes – Anthology 1964-2020』がレモン・レコーディングスより発売される。
レイ・フェンウィックがプロとしてスタートしたのは、レイ・アンド・ザ・レッド・デヴィルズというスカ・グループだったが、よく知られているのは、64年、スティーヴ・ハウの後任としてシンディキャッツに参加したところからだろう。シンディキャッツにはレイの後任としてピーター・バンクスが参加するが、そのピーター・バンクスはその後結成メンバーとしてイエスに参加し、のちにスティーヴ・ハウと交代するということからシンディキャッツはシングルしか残していないものの、英音楽シーンにおいてキーとなる重要なグループとなった。
その後レイは、オランダのグループ、ティーセットに参加した後、スペンサー・デイヴィス・グループ〜ボ・ディドリー〜イアン・ギラン・バンド〜ジョン・ロード〜グレアム・ボネットなど、さまざまな作品やバンドに参加している。71年、スペンサー・デイヴィス・グルーフで活動中、デイヴィスを除いたメンバーの協力を得て、アルバム『Keep America Beautiful, Get A Haircut』を制作、ソロ・デビューを飾った。2000年代には、スティーヴ・ハウがスティーヴ・ハウズ・レメディ名義でリリースしたアルバム『エレメンツ』に参加、ツアーにも同行し、バンド全体のスコアも担当している。その他にもガールズ・グループのプロデュースも手がけるなど、幅広い活動を行ってきた。
本アンソロジーは、そんなレイ・フェンウィックの、ソロ作はもちろんのこと、シンディキャッツ時代からスペンサー・デイヴィス・グループ、イアン・ギラン・バンド、ボ・ディドリー、アフターティー、コージー・パウエル、デヴィッド・カヴァーデイルなど、これまで彼が関わった多岐にわたる作品を幅広く収録し、レイ・フェンウィックの現在までの活動が俯瞰できる作品となっている。(S.I.)
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